先日の茂木健一郎さんの講演会に参加したこともあり、
たまには芸術に触れようと、前から気になっていた
「レーピン展」、「ストラスブール美術館展」に連続で行ってきました。
まずは浜松市美術館で開催されている、国立トレチャコフ美術館所蔵「レーピン展」。
イリヤ・エフィーモヴィチ・レーピン(1844年~1930年)は近代ロシアの画家で、ロシアでも国民的人気があるのですが、今回の展覧会では肖像画、歴史画、風刺画等の様々なジャンル、初期から晩年の幅広い時期の作品が展示されていました。ひと通り見た中で特に感じたのが、振り幅はあるにしても描写と抽象が混在しており、不思議な雰囲気を作り出していること。出世作である「ヴォルガの船曳き」では、細かく描写的な部分もあれば人々の表情や風景が筆のタッチで誇張されている部分もあり、絵の持つ訴えかけてくる力が非常に強く、肖像画においても、それによって威厳や迫力、人柄が感じられました。家族を描いた作品もあったのですが、展覧会の顔として使われている「休息-妻ヴェーラ・レーピナの肖像」もモデルとしてポーズをとっていた妻がつい寝てしまった無防備で安らかな寝顔、周りの雰囲気、作者の温かい目線が良く感じられます。印象派のような光の表現がそうさせているのかもしれません。
激動の時代を生きたレーピンの数々の作品、説明文を読めば時代背景の予備知識も必要ありませんし、十分に作品のすばらしさ、心に響くものを感じられると思います。
国立トレチャコフ美術館所蔵「レーピン展」
期間:平成24年10月16日(火)~12月24日(月)
場所:浜松市美術館
TEL:053-454-6801
住所:静岡県浜松市中区松城町100-1
開館時間:9:30~17:00
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)
次は静岡市美術館で開催されていた「ストラスブール美術館展」。
葵タワーにある静岡県立美術館は初めて行ったのですが、展示室も広く、城で統一されたフロアは非常に綺麗でした。
ストラスブールはフランス北東部の都市で、ドイツに近いために両国の影響を強く受け、独自の文化を育んできました。展覧会では、19世紀から現代までの巨匠たち、シスレー、ゴーギャン、ドニ、シニャック、マグリット、レジェ、ピカソ、マッタ等の有名な画家の作品が展示されていました。
「Ⅰ.印象主義」、「Ⅱ.印象主義からフォーヴィスムへ」、「Ⅲ.キュビズムとエコール・ド・パリ」、「Ⅳ.両大戦間期の写実主義」、「Ⅴ.抽象からシュルレアリスムへ」、「Ⅵ.1960年代以降、コンテンポラリー・アート」で構成されており、各時代と照らしあわせて作品を見ることができるので、簡単な美術史を学ぶという意味でも非常に価値のあるものでした。上記のような有名な画家の絵を見ることができたのもそうですが、個人的に気になっていた、ヴァシリー・カンディンスキーの絵を見ることができたのが一番の収穫でした。これだけ幅広く、良い作品を所蔵している本家のストラスブール美術館もいつかは行ってみたいですね。
「ストラスブール美術館展」
期間:平成24年10月27日(土)~12月16日(日)
場所:静岡市美術館
TEL:054-273-1515
住所:静岡市葵区紺屋町17-1葵タワー3F
開館時間:10:00~19:00
定休日:月曜日